租税特別措置法 第25条の2 ・ 版を並べる
2027年分からの変更点(青色申告特別控除の条文)
改正後の第25条の2は2027年1月1日に施行され、2027年分(令和9年分)以後の所得税に適用されます(改正法 附則第1条第5号ロ・附則第33条)。2026年分(令和8年分)までは、今の条文のままです。
控除の段ごとの比べ
判定のページの凡例と同じ表です。項の番号は、それぞれの版の第25条の2の中の番号です。
| 段 | 2026年分(現行) | 2027年分以後(改正後) |
|---|---|---|
| 75万円 | 2026年分にはこの段はありません | 65万円の要件に加えて、電子帳簿の要件(第5項) |
| 65万円 | 55万円の要件に加えて、期限内のe-Taxか優良な電子帳簿(第4項) | 事業・複式簿記・期限内のe-Tax(第4項・第7項) |
| 55万円 | 事業・複式簿記・期限内の提出(第3項・第6項) | この段はなくなります |
| 10万円 | 承認を受けていて、上の段に当たらない(第1項) | 承認を受けていて、上の段に当たらない(第1項) |
| 0円 | 承認を受けていない・対象の所得が無い | 承認なし・対象の所得なし・簡易な帳簿で前々年分の総収入金額が1,000万円超(第2項) |
変わる4つの点
- 55万円の段がなくなります。今の第3項(複式簿記で期限までに出すと55万円)は、改正後は第4項の65万円になり、その65万円は期限までのe-Taxでの送信が要件です(第7項)。
- 書面で出すと10万円の段になります。今は優良な電子帳簿の保存があれば書面でも65万円でしたが(第4項第1号)、改正後は第4項・第5項のどちらも、第7項でe-Taxでの送信に限られます。
- 75万円の段ができます。65万円の要件に加えて、仕訳帳と総勘定元帳を電子で保存し、優良な電子帳簿の要件か、電子取引のデータの保存の措置のどちらかに当たる場合です(第5項、施行規則第9条の6)。
- 簡易な帳簿で前々年分の総収入金額が1,000万円を超えると、10万円の控除もなくなります。不動産所得か事業所得を生ずべき事業を営む人が対象で、現金主義の特例を受ける人は除かれます(第2項)。
第2項と第7項の字句
改正後の第25条の2第2項(抜粋)前項の規定は、同項に規定する個人でその年において不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営むもの(所得税法第六十七条第一項の規定の適用を受ける者を除くものとし、次の各号に掲げる者の区分に応じ当該各号に定める要件を満たすものに限る。)が、第四項に規定する場合に該当しない場合には、適用しない。
一 その年において不動産所得を生ずべき事業を営む者 その年の前々年分の不動産所得に係る総収入金額が千万円を超えること。
二 その年において事業所得を生ずべき事業を営む者 その年の前々年分の事業所得に係る総収入金額が千万円を超えること。
改正後の第25条の2第7項(抜粋)第四項の規定は、その年分の所得税の確定申告書の提出期限までに、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律…第六条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して…送信した場合に限り、適用する。
読み方で迷いやすい点と、このサイトの扱い
複式簿記で書面で出す人で、前々年分の総収入金額が1,000万円を超えるとき
このサイトは10万円の段として判定します。第2項が10万円を受けられなくするのは「第4項に規定する場合に該当しない場合」、つまり複式簿記の詳細な記録をしていない場合だけで、書面で出すかどうかは第7項の別の要件です。同じ改正法の附則第68条第2項も、「第一項の規定の適用を受ける場合」から「第四項に規定する場合に該当しない場合」を除く書き方をしていて、複式簿記で記録しながら第1項(10万円)を受ける人がいる前提です。国税庁の説明(優良な電子帳簿の保存又はデジタルシームレス保存により75万円の青色申告特別控除を適用しましょう!)も、2027年分以後は「書面申告の場合の控除上限額は10万円」、10万円がなくなるのは「簡易な記帳の方のうち」と書いています。
不動産所得と事業所得の両方の事業を営むとき
このサイトは、どちらか一方の総収入金額が1,000万円を超えれば第2項に当たるとして判定します。各号は所得ごとの総収入金額で、不動産所得と事業所得を合計はしません。国税庁の説明(同じ資料の注2)も「これらの所得のいずれかに係る前々年分の収入金額が1,000万円を超える場合」と書いています。
前々年分・総収入金額・ちょうど1,000万円
2027年分なら2025年分の、所得ではなく総収入金額です。条文は「千万円を超える」なので、ちょうど1,000万円は当たりません。
確認が必要な点: 75万円の段の細かい要件(優良な電子帳簿の要件、電子取引の保存の措置に使うシステムの基準、届出書)は、財務省令と国税庁長官の定める基準で決まります。このサイトでは要件の名前までを示し、当たるかどうかは判定しません。国税庁の説明(優良な電子帳簿の保存又はデジタルシームレス保存により75万円の青色申告特別控除を適用しましょう!)と、使っている会計ソフトの対応を確かめてください。
2028年分以後
確認した範囲で一番後の版(2030年1月1日施行)まで、第25条の2の字句は2027年1月1日施行の版と同じです。今後の税制改正で変わることがあるので、版を見直して更新します。
使った版
- 2026年分(現行): 租税特別措置法 332AC0000000026_20261001_508AC0000000012
- 2027年分以後(改正後): 租税特別措置法 332AC0000000026_20270101_508AC0000000012
- 改正法: 所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)附則第1条・第33条・第68条
- 財務省令: 租税特別措置法施行規則 第9条の6:332M50000040015_20270101_508M60000040021
e-Gov 法令検索で2026年10月5日に確認しました。金額の段(75万円・65万円・55万円・10万円)と1,000万円は、条文の字句と照らし合わせるテストで確かめています。